実家の取り壊し
3年前に父が他界。
しばらくの間は実家には母が一人で暮らしていました。
しかし、体調を心配して近所の妹の家で一緒に暮らすことに…
実家は築42年で空き家になってからは、痛みも進行し酷い状態でした。
一度は実家を取り壊そうという話もありましたが、父が苦労して建てた家です。しかも、取り壊して更地にすると固定資産税が3〜4倍に上がるという話も聞き話はうやむやになっていました。
<補足>
空き家の問題は日本中で大きな問題になっています。
政府は「空き家特別措置法」というものを制定。
各都道府県の自治体は空き家に対して倒壊などの恐れがある場合は強制撤去も行えます。
売却が決定
話がうやむやになってから2年。
空き家の状態にしておくことはご近所さんにも迷惑がかかることから売却が決定しました。
最初は建て替えをして妹夫婦が住むことやアパートにして家賃収入を得るなどの話がありました。しかし、妹夫婦はローンがたんまり残っていましたし、家賃収入を得ようにも建て替え費用がかかります。
銀行から融資してもらうことも考えましたが、とてもじゃないけど40代の私には今から新たなローンを組むなど不可能。
かなり揉めましたが実家の売却が決まりました。
高校時代の18歳まで住んだ家を売ることに少しだけ寂しさもありました。
中古戸建て+土地で売却
不動産の専門家に聞くと「建物の価値はないに等しい」と言われました。
聞くところによると固定資産税評価額では築20年〜30年以上の建物はほとんど価値がないそうです。
ぶっちゃけかなりショックでした。
- 更地にして売りだすと売却まで固定資産税がかかる
- 土地だけで探す人は少ない
という理由から「中古建て物件」と「土地(古家付)」という2本立てで売り出すことになりました。
もしも土地だけという人が現れたら取り壊し費用(解体工事費用)は、買主・売主で相談して決めることになりました。
早速、不動産屋と専任媒介契約を結び売り出すことになりました。
<補足>
私の実家のように築30年以上の物件でない場合は、不動産屋によって売出価格は全然違うそうです。そのため一社だけでなく、複数社の相見積りをとった方が高く売れる可能性があります。
私は一社だけだったのですが・・・もしかしたらもっと高く売れたかも?と今は思ってます。まぁ売出価格ですら売れなかったわけですが(笑)
値段を下げてようやく内覧希望者があらわれる
売り出してからすぐに問い合わせがくると思ってましたが甘かったです。
問い合わせすら全然ないということで最初の売り出し価格から値段を下げて再度売り出しました。
金額を下げてから2ヶ月後ぐらいに初めての内覧希望者が。
不動産屋からは「できるだけ綺麗にしておいてください」といわれ家族総出で実家をお掃除。
いざ勝負の内覧日へ。
内覧日当日
当日は内覧されるご夫婦と一緒にまわってあれこれと説明をしました。
築40年以上ですから、痛みに痛みまくっており、とてもじゃないけど人が住めるとは思えません(笑)
持ち主が言うんだから間違いないですけど、内覧者さんから聞かれた質問に答えました。
収納や水周りだけでなく、近所さんについても聞かれました
まぁ気になりますよね。
ぶっちゃけてこの内覧者さんは買わないだろうなと思いました。
感触は全く良くなかったです。
条件付きで売却決定
内覧から数日後、不動産屋から仕事中に携帯電話に連絡が。
「売主の取り壊し費用の負担があれば購入します」との上から目線(笑)
いやいや土地だけでも全然問題なしということで売却先が決定。
やっぱり土地だけかと思いましたが、このまま待っても売れないと思ったので即決しました。
新築の建物を建築するわけですから、当然ながら解体日も期限があります。
ここからは本当に大変な日々が始まりました。
タウンワークで探した解体業者
実家の取り壊しは解体業者という専門会社が行います。
とりあえず、どれぐらい費用がかかるか分からなかったので、タウンワークでみつけた解体業者へ見積依頼をしました。
現地調査にきて、後日見積をだしますとのこと。
30分ほどで現場確認をしてもらいましたが、何一つ質問がなく少しだけ不安になりました。
「えっこれで終わり?もっと質問してよ。」
とおもったぐらいです(笑)
現地調査から2日後に見積額は「167万円」。
見積書をみて「うっそーん!?」と思わず声がでました。
家をぶっ壊すだけでそんなにとられちゃうの?
というのがその時の感想です。
実家は32坪の2階建て木造。
一応は東京都ですが、23区外の田舎で駅からは徒歩17分。
地方の方にいっておくと東京でも我が地元みたいに緑に囲まれた町もあります(笑)
田んぼもありますし・・・
これはもっと安いところがあるかもしれないと思い相場がどれぐらいなのかを調べました。
木造家屋の解体相場は2〜3万円
木造家屋の解体工事は坪単価2〜3万円前後が相場のようです。
- 48坪×3万円=144万円
- 48坪×2万円=96万円
つまり96〜192万円が相場になります。
タウンワークでみつけた業者は割高感もある上に、現地調査にきた担当者がなんとなく嫌でした。
土地を売った代金で十分に補填できますが、少しでも損をしたくないため新たに解体業者を探すことにしました。
解体業者の再選定と不要品の処分
解体業者からもらった見積をみると「ゴミの処分費用」なるものがあります。
つまり、ゴミを自分達で処分できれば、解体費用も安くなるということです。
そのため週末に実家に戻り不要品を処分することに。
明け渡しの期日もあったため、家族総出で丸々一日かけて不要品を処分しました。
テレビや冷蔵庫、洗濯機などの家電はリサイクルのため知り合いの電気屋さんへ依頼。
タンスや机・棚などの粗大ごみは軽トラックを借りて市の清掃センターへ運びました。
それと同時に解体業者も早く手配をしなければいけません。
不動産屋さんに相談したら「こんなサイトがあるよ」ということで一括見積の解体工事紹介サイトを教えてもらいました。
一括見積はめちゃくちゃ楽
一括見積はかなり楽でした。自分でやるとなると、
- 解体業者を探す
- 問い合わせる
- 物件概要を説明する
- 現地調査に立ち会う
- 見積をもらう
- 業者選定&連絡
という作業を1社1社にしなければなりません。
何よりも嫌なのが「断り」の連絡をいれることで、タウンワークから申し込んだ業者の時も胃が痛かったです。
一方で一括見積サイトは、
- 物件登録
- 現地調査
- 見積
- 業者選定&連絡
だけで終わります。
3社合同で内覧会を行った後に見積を頂きました。
これだけでもマジで助かる。
一社一社に対応してたら工事がいつまでたっても始められないので。
- A社:99万円
- B社:125万円
- C社:131万円
という結果だったのでA社に依頼をすることにしました。
なんと最初に依頼した解体業者よりも68万円も安くなりました。
業者の決定と工事のスタート
決定した解体業者と解体工事請負契約を結び施行金額の半額を支払い。
その後、解体業者と工事計画の打ち合わせをして、「解体工事事前届出」と「リサイクル法届出」を提出し工事スタートです。(書類などもほぼ全てやってもらえたので、自分の手間は最小限)
この間にガス管の切断、電気や電話の引き込み配管、メーターの撤去などを行いました。
いやマジで大変…思い出しながら書いていますが二度とやりたくない(笑)
ご近所さんへの挨拶
土地を売却し住まなくなるとはいえ小さい頃から近所の方にはお世話になっています。
また、解体業者さんからは「トラブル防止」のためにも近隣へは挨拶へいきましょうということで一緒に周りました。
伊勢丹でかったスイーツを持参して、工事の挨拶+長年お世話になった挨拶も兼ねて周りました。
ちなみに、解体業者の人は怖いイメージがありましたが、めちゃくちゃ普通の方です。
解体工の作業員の人も挨拶がしっかりしておりイメージがガラッと変わりました。
工事過程
工事初日だけは伺いました。
養生をしっかりして、実家が防音シートに覆われます。
「いよいよ始まるんだな」
少しだけ寂しい気持ちになっていました。
作業が始まると重機でぶっ壊すのかとおもいきや最初は手作業でした。
最初は手作業で開始して建物の中を壊していくそうです。
屋根を外して、窓枠などを手作業で外した後に重機で取り壊していきます。今はリサイクル法のため分別しながら解体する手法をとっているんだとか。
妹から聞いた話では重機で壊している最中も水撒きをしながら塵や埃が飛ばないようにしてくれたらしいです。
妹から写真が送られてきたのですが、廃棄物の量をみて驚きました。
ご近所さんからのクレームも一切なく進めてくれました。
7日で解体完了、いざ更地へ
工期期間中は予定していないケーブルがあるとかブロック塀の基礎がないとか色々と確認の連絡がありました。
途中で何度か見に行こうと思いましたが、連絡があることで逆に安心して任せることができました。
結局、工期は当初の予定どおり9日で終了。
工事終了日には伺い更地になったことを確認。
地中埋蔵物や廃材などが残っていがないかもチェックして頂き無事に工事は完了しました。
壊す前は寂しい気持ちもありましたが、まっさらな土地をみてちょっと気分よくなりました。
あと家が建っていると気付きませんでしたが、狭いとおもいました(笑)
建物減失登記を申請
解体工事が完了し費用の残額を入金したところで、
・建物滅失証明書
・印鑑証明書
・建設業許可証
の3点がおくられてきました。
解体工事をするとこの法務局へ「建物滅失証明書」を提出する必要があります。
建物滅失登記は行政書士さんでもやってくれるそうですが、数万円かかりますし、自分でも簡単にできるので、自分でやるのがおすすめです。
尚、工事が終わって1ヶ月後には「マニフェスト(産業廃棄物管理票)」が送られてきました。
マニフェストというのは産業廃棄物の種類や数量、処分業者などが記載された用紙とのことでしっかり処分しましたよという証明です。
恐らく不正をおこなっていないという証明で送って頂いたのだと思います。
何はともあれ依頼した業者が良かったのは間違いありません。
実家の解体工事を終えて
約18年住んだ実家を解体してみて正直かなり大変でした。
売却から始まり解体まで、もう経験したくありません(笑)
といっても自分は不動産屋にお願いして、一括見積で解体業者に依頼をしただけではありますが。
それでも分からないことばかりで調べながらでヘトヘトに。
解体工事には特にトラブルが発生することも多いと聞いていたので不安でしたが、何の問題もなく進めてよかったです。